日本臨床外科学会雑誌
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症例
出産後に発見された巨大肝細胞癌の1例
棚橋 利行長田 真二徳山 泰治高橋 孝夫吉田 和弘
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キーワード: 肝細胞癌, 妊娠
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2010 年 71 巻 2 号 p. 478-483

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抄録
出産後に巨大肝細胞癌が発見された1例を経験したので報告する.症例は39歳,女性.出産後も上腹部の膨隆が持続し,受診中の近医にて肝腫瘍を指摘され当院紹介.精査にて,肝左葉を占める13cm大の巨大な肝細胞癌を認めた.腫瘍破裂の回避を第一義に考え,当科へ紹介の上準緊急性に開腹術を行った.腫瘍はすでに一部自壊しており血性腹水を認めたが,肝左葉およびS8部分切除術にて腫瘍を全摘出した.摘出腫瘍は浸潤型の低分化型肝細胞癌であった.術後経過に問題はなく10日目に退院し,11カ月目の現在化学療法中である.妊娠に合併した悪性腫瘍は非常にまれで,特に肝細胞癌の報告は少ない.エストロゲンなど妊娠に関連したホルモンが腫瘍の急速増大を起こす可能性につき摘出標本の免疫染色から検討した.
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© 2010 日本臨床外科学会
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