日本臨床外科学会雑誌
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症例
術前診断に苦慮した卵巣様間質を伴った肝内胆管嚢胞腺腫の1例
高倉 秀樹田中 邦哉武田 和永松尾 憲一遠藤 格稲山 嘉明
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2010 年 71 巻 2 号 p. 489-493

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抄録
症例は63歳,女性.検診でHBsAg陽性を指摘され,経過観察中の腹部エコーで嚢胞性肝腫瘍を認めた.腹部CT,MRIでは肝内側区域に最大径5cmで内部に隔壁を伴った嚢胞性病変を認めた.腫瘍マーカーはいずれも正常範囲内であった.肝嚢胞腺癌と診断し,鑑別診断として中心壊死を伴った肝細胞癌,肝嚢胞内出血等を考えたが,腫瘍細胞播種の回避のため穿刺細胞診は施行せず,肝左葉切除術を実施した.摘出標本では腫瘍は平滑な被膜を有し,内腔は褐色粘液で充満され,被膜の一部に白色結節を認めた.病理組織学的には嚢胞壁は一層の円柱上皮からなり散在性に乳頭状増殖と軽度の細胞異型を認めた,白色結節は線維組織から成っていた.上皮直下の間質結合織は卵巣間質に類似しており,免疫染色でER,PGRともに陽性であったため卵巣様間質を伴った肝内胆管嚢胞腺腫と診断した.本疾患は術前確定診断が困難で癌を伴うこともあり,積極的な切除が必要であると考えられた.
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© 2010 日本臨床外科学会
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