日本臨床外科学会雑誌
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症例
切除術後に強直性脊椎炎が改善した原発性小腸癌の1例
岡 智徳毛 誠樹山川 俊紀小野田 裕士鈴鹿 伊智雄塩田 邦彦
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2010 年 71 巻 4 号 p. 971-975

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抄録
症例は62歳,男性.2006年11月に強直性脊椎炎の診断を受け,Prednisolone(PSL)10mg/日でコントロール良好であった.2007年3月に高度貧血にて緊急来院.上部内視鏡検査にてTreitz靱帯より奥に腫瘍様病変を認め,造影CTにて同部の不整な壁肥厚と不均一な造影効果あり,出血性の空腸腫瘍と診断された.外科紹介となり緊急開腹手術となった.腫瘍はTreitz靱帯より約10cm肛門側空腸に主座があり腸間膜へ突出した潰瘍が膿瘍様形状であった.腫瘍を含む十二指腸,空腸,周囲リンパ節を切除し,十二指腸空腸側々吻合(Over lap法)を行った.病理組織結果は,原発性空腸癌で,リンパ節転移陽性であった.術後経過は良好で退院となり,その後PSLの内服を中止できた.現在,中止後も強直性脊椎炎の症状の再燃なく,無再発生存中である.今回,術前に強直性脊椎炎を合併した原発性小腸癌で,切除後症状が消失した1例を文献を含め報告する.
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© 2010 日本臨床外科学会
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