日本臨床外科学会雑誌
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症例
肺小細胞癌の小腸転移により穿孔性腹膜炎をきたした1例
末田 聖倫安井 昌義池永 雅一宮崎 道彦三嶋 秀行辻仲 利政
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キーワード: 肺癌, 小腸転移, 穿孔
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2010 年 71 巻 5 号 p. 1165-1169

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抄録
症例は59歳,男性.右上葉腫瘤とNSEおよびCEA高値にて気管支鏡生検を行い,肺小細胞癌(T4N3M1)と診断した.cisplatin+etoposideを4コース施行後の効果判定はPDで,5コース目に胸部放射線照射を併用した.5コース終了後の効果判定はPDであり,以後,2nd lineの化学療法を予定していたが,経過中に腹痛を訴え,当科紹介された.腹部に筋性防御と反跳痛を認め,血液検査にて炎症反応は高値であった.腹部CT検査にて小腸の壁肥厚と周囲のfree airを認めたため,消化管穿孔と診断し,緊急手術を施行した.手術所見は,腹腔内に膿性腹水を認め,回盲部から約35cm口側に小腸腫瘤および同部の穿孔を認め,小腸部分切除を施行した.切除標本は,粘膜面に潰瘍を認め,漿膜面に腫瘤とその中心に穿孔を認めた.組織学的には粘膜面に深い潰瘍を形成しており,裸核状の比較的小型の異型細胞が瀰慢性に増殖していた.免疫染色では,synaptophysin(+),CD56(+)であり,肺癌の小腸転移と診断した.術後経過は問題なく転科とした.
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© 2010 日本臨床外科学会
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