日本臨床外科学会雑誌
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症例
十二指腸副乳頭部カルチノイドの1切除例
高梨 秀一郎鈴木 一也諸原 浩二保田 尚邦神坂 幸次鈴木 豊
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2010 年 71 巻 6 号 p. 1529-1533

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抄録

十二指腸副乳頭部に発生したカルチノイドの1例に対し根治手術を施行した.症例は42歳の男性で,主訴,既往なし.今回,ドックで十二指腸腫瘍を指摘された.腫瘍は十二指腸副乳頭部に粘膜下腫瘍様の形態を呈して存在し,生検からカルチノイドと診断された.他臓器への転移を認めず,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.腫瘍は18mm大で病理組織学的にはsynaptophysin(++),chromogranin(+)のカルチノイドであり,No.13a,No.17aリンパ節に転移を認めた.カルチノイドが副乳頭に発生する症例はまれとされる.比較的小さな腫瘍でもリンパ節転移が認められ,検査時の下行脚までの慎重な観察とリンパ節郭清を伴う手術が必要であると考えられた.

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