抄録
症例は39歳,女性.食思不振を主訴に当院を受診,精査・加療目的に入院となった.既往として卵巣癌にて2008年3月子宮全摘術・両側付属器切除術を施行,病理診断は粘液嚢胞腺癌pT1cN0M0であった.術後10カ月の2009年1月,腹膜再発にて腫瘍摘出術を施行した.術後化学療法としてTC療法を5コース施行した.今回の入院時CTでは骨盤内の占居性病変を認め,注腸検査,大腸内視鏡検査では粘膜の変化を伴わない直腸狭窄像を認めた.卵巣癌の局所再発とそれに伴う直腸狭窄と診断し手術を施行した.手術所見では小腸に腫瘍性病変を認め,周囲への浸潤は認めなかった.回腸部分切除を施行し,術後経過は良好であった.病理組織学的では卵巣癌と同様の乳頭状に増殖する明細胞様の腺癌を回腸粘膜下層を主体に認め,血行性転移による卵巣癌異時性小腸転移が示唆された.