日本臨床外科学会雑誌
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症例
術後早期に腹膜透析導入できたKugel法による鼠径ヘルニア修復の2例
中村 誠昌北村 直美谷口 正展岡内 博下松谷 匠
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2011 年 72 巻 1 号 p. 194-197

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抄録
鼠径ヘルニアを有する慢性腎不全患者は一般的に腹膜透析療法を選択されない.一方,腎不全患者の高齢化に伴い,鼠径ヘルニアを合併することが多くなっている.われわれは,Kugel法によるヘルニア修復を行った後,腹膜透析を行った経験を報告する.Kugel法は腹膜前腔にパッチを挿入して,1枚のパッチで内鼠径輪・外鼠径輪・大腿輪を同時にカバーし,鼠径部の全てのタイプのヘルニアに同時に対応する方法である.従来のMesh plug法に比べ理論上強度が強く,本法を行うことで鼠径ヘルニア修復と安全な腹膜透析が同時に可能と考えられる.
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© 2011 日本臨床外科学会
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