2011 年 72 巻 10 号 p. 2496-2500
目的:禁煙は術後呼吸器合併症や感染症減少のために重要である.大腸癌外科手術患者の喫煙状況把握と外科手術が禁煙の動機付けとなるかを前向きに検討した.対象と方法:2009年4月から手術予定患者に喫煙に関して調査し喫煙者には禁煙学会認定専門指導医が禁煙指導を行った.結果:該当患者は101名,喫煙率は18%,ブリンクマンインデックスBIは平均632,ニコチン依存度テストTDSは平均5.9,術前禁煙できた者は83%,術後67%が6カ月間禁煙達成し,6カ月間の禁煙達成者の平均TDSは6.6であった.結論:TDSの高い患者でも約7割で術後6カ月の禁煙が達成され,また喫煙者持続者でも喫煙量が減少するなど,外科手術が禁煙に向けた強い動機になることが示唆された.