2011 年 72 巻 11 号 p. 2862-2865
症例は74歳,男性.30年前に十二指腸潰瘍にて胃切除術の既往あり.腹痛の精査にて小腸に重積像を認め,手術を施行した.著明に開大したBraun吻合部に輸出脚の空腸が逆行性に輸入脚に重積していた.重積腸管を整復後,拡張したBraun吻合部を自動縫合器で切離し,Braun吻合部の空腸を正常径に形成した.再度,手縫い縫合にてBraun吻合を作成した.Braun吻合部の空腸重積はまれな疾患であるが,胃切除の既往がある患者の腹痛の鑑別診断として念頭におくことが必要である.