抄録
開腹手術下に上腸間膜動脈塞栓除去術を施行し,救命しえた3例を経験した.いずれも,血管造影下の塞栓溶解が無効であった症例で,3例とも腸管壊死所見を呈していなかった.手術終了直後に血管造影を行うことで,症例1では塞栓の残存,症例2では縫合部出血を,症例3では良好な血流を確認しえた.開腹手術における塞栓除去術は術中に触診,doppler血流計で血流を確認するものの,上腸間膜動脈全体の血流の評価は難しい.開腹下に塞栓血栓摘除を施行した症例においては,手術直後に血管造影による上腸間膜動脈血流の評価,確認を行うことが有用である.