抄録
症例は6歳,男児.Henoch-Schönlein紫斑病(HSP)に対し,前医にてステロイドや第XIII因子,ウリナスタチンの投与,ステロイドパルス療法などの対処療法を行ったが,紫斑,腹痛,下血は徐々に増悪した.腎機能障害も出現し,第16病日当院小児科紹介入院となった.再度ステロイドパルス療法,ステロイド投与を行い,症状・検査データーともに一時改善に向かったが,第24病日腹痛再燃,翌日腹部筋性防御が出現,消化管穿孔の診断で同日緊急手術を施行した.回腸に約50cmにわたる壊死腸管を認め,穿孔が多発しており,同部を切除し吻合した.病理組織学検査にて,HSPに特有な血栓や血管炎の所見は乏しく,またHE染色で巨細胞封入体,免疫組織化学染色でCMV陽性像を認めた.血液検査にてCMVアンチゲネミア陽性,以上よりCMV腸炎の合併が証明され,穿孔の原因であると考えられた.早期のステロイド減量を心掛け,術後33日目退院となった.