日本臨床外科学会雑誌
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症例
IA期肺多形癌小腸転移による腸重積の1例
大熊 利之宮村 俊一池上 克徳豊永 政和本郷 弘昭
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キーワード: 多形癌, 小腸転移, 腸重積
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2011 年 72 巻 2 号 p. 404-408

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抄録
症例は77歳,男性.当院で8カ月前に左下葉肺癌の診断にて胸腔鏡補助下左肺下葉切除術を受けている.最終病理結果は多形癌(pT1N0M0,pStageIA)であり,その後,当院外来にて経過観察中であった.嘔吐を主訴に来院し,腹部CT検査で腸重積の所見を認め,小腸腫瘍による腸重積を疑い開腹術を施行した.開腹すると,空腸に約20cmに渡る重積が見られ,先端には腫瘍が存在し,空腸部分切除術を施行した.病理組織学的に肺多形癌の小腸転移と診断された.術後10日目に退院となったが,2カ月後に右臀部痛の訴えがあり,骨盤部CTにて直腸右側の骨盤内から右梨状筋,右内閉鎖筋へと浸潤する再発巣を認めた.放射線療法を施行後に縮小傾向を認め,現在,経過観察中である.肺多形癌は非常にまれな腫瘍であり,さらに小腸に転移し,腸重積をきたした症例はわれわれが検索した範囲では文献的に英文も含め自験例が3例目であった.
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© 2011 日本臨床外科学会
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