2011 年 72 巻 2 号 p. 448-450
症例は77歳,女性.心窩部痛を主訴に近医受診.胆嚢結石症の診断で手術目的に当院に紹介入院した.待機的に腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.胆嚢頸部に腫大したリンパ節を認めたため,併せて摘出した.病理検査でリンパ節に,乾酪壊死を伴い,Langhans巨細胞,類上皮細胞からなる肉芽腫を認め,結核性リンパ節炎と診断した.胸腹部CTを撮影したが,明らかな異常所見は無く,喀痰検査でも結核菌は陰性で肺結核は否定的であった.術後にイソニアジド,リファンピシン,エタンブトール,ピラジナミドの4剤併用抗結核療法を行った.今回われわれは胆嚢頸部結核性リンパ節炎の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告した.