日本臨床外科学会雑誌
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症例
手縫い吻合後のimplantationによる吻合部再発と思われた結腸癌の2例
中原 千尋巣山 久実岩下 俊光豊島 里志
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キーワード: 結腸癌, 吻合部再発
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2011 年 72 巻 3 号 p. 732-736

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抄録

症例1:74歳女性,上行結腸癌に対し右半結腸切除術を施行し,術後14カ月目に下部消化管内視鏡検査で吻合部再発を認めた.症例2:71歳女性,下行結腸癌に対し左半結腸切除術を施行し,術後42カ月目に下部消化管内視鏡検査で吻合部再発を認めた.共に進行癌で,吻合部を含めた腸管切除術を施行し,いまだ再発を認めていない.開腹し再建を手縫い吻合で行っているが,同吻合が主である当科における過去10年間の結腸癌吻合部再発は当2例であり,再発率は0.92%で文献的統計と差はない.近年器械吻合の機会が増え,吻合部再発の報告が増えている.当科では吻合前腸管洗浄や吻合部へのポビドンヨード塗布は行っていなかったが,implantationが原因である可能性が高いことから,一般的な予防法の確立が望まれる.

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© 2011 日本臨床外科学会
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