日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
胃カルチノイド,空腸GISTおよび肺癌を併発したvon Recklinghausen病の1例
奥村 直樹徳山 泰治山口 和也長田 真二岩田 尚広瀬 善信吉田 和弘
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 72 巻 5 号 p. 1297-1301

詳細
抄録

von Recklinghausen病(vR病)は,カフェ・オ・レ斑,神経線維腫を主徴とし,腫瘍性病変の合併が多いことで知られている.症例は69歳,男性.検診で異常を指摘され,平成20年8月に当院消化器内科を受診し,A型慢性胃炎に伴う胃カルチノイドと診断され,造影CTにて十二指腸,空腸に多発する腫瘤を指摘された.平成21年3月に胃カルチノイドに対して内視鏡的粘膜下層剥離術を施行したが,静脈浸潤陽性であったため,同年6月に胃亜全摘除術と十二指腸および上部空腸部分切除を施行した.病理検査にて十二指腸壁在結節は胃カルチノイドのリンパ節転移,空腸結節はgastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断された.術前CTにて原発性肺癌も診断されており平成22年5月に胸腔鏡下肺上区域切除術を施行した.vR病に胃カルチノイド,小腸GIST,肺癌を併発した1例を経験した.

著者関連情報
© 2011 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top