日本臨床外科学会雑誌
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症例
低血糖症状を呈した後腹膜原発solitary fibrous tumor(径30cm)の1例
神谷 潤一郎升田 吉雄尾形 章宮崎 勝
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2011 年 72 巻 8 号 p. 2124-2128

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抄録
症例は71歳,男性.腹部膨満感を自覚していたが放置.低血糖発作(血糖値21mg/dl)にて当院救急外来を受診した.腹部は著明に膨隆し,腹部全体を占める腫瘤を触知した.CTにて腹腔内を広範に占拠する30cm大の造影効果不良な腫瘤を認めたが,腹腔内臓器への明らかな浸潤は認められなかった.後腹膜腫瘍の診断にて手術を施行した.腫瘍は後腹膜腔より起こり腹腔内全体を占拠していたが,周囲臓器への浸潤は認めなかった.右精巣動脈からの栄養血管を確認し,腫瘍を摘出した.摘出標本は白色弾性硬な充実性腫瘤で,中心部は一部変性壊死を伴っていた.大きさは31×27×16cm,重量は7.0kgであった.病理組織学的には核異型の乏しい紡錘形細胞から構成され,免疫染色でVimentin,CD34,Bcl-2がびまん性に陽性を示し,solitary fibrous tumor(SFT)と診断した.術後,血糖値は正常範囲に回復した.低血糖症状を伴う巨大SFTの1例を経験したので報告する.
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© 2011 日本臨床外科学会
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