日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
少量の局所麻酔で行う鼠径ヘルニア手術手技
瀧川 拓人堀川 修一永安 忠則八坂 貴宏土川 貴裕小笠原 篤夫
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2012 年 73 巻 1 号 p. 24-28

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抄録

2008年から2011年にかけ施行された局所麻酔下成人鼠径ヘルニア手術20症例に関しわれわれの手技を報告する.合併症を有する高齢者を対象に開発した本手技はStep by spep法に工夫を重ねた局所麻酔下でのMesh plug法による修復術である.局所麻酔薬には1%Lidocaineおよび0.25%Bupivacaineまたは0.375%Ropivacaineを組み合わせて使用し,平均使用量は12.9mlであった.これはLidocaine単回投与極量のおよそ1/3とRopivacaine単回投与極量のおよそ1/7との混合で,極めて安全な投与量である.これまでのところ合併症,再発も経験していない.電気メスの通電性も保たれ,解剖学的理解にも有用であり,初級外科医が術者となる場合でも安全に施行しえた.

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© 2012 日本臨床外科学会
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