日本臨床外科学会雑誌
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症例
増大傾向を示し原発性肺癌との鑑別を要した円形無気肺の2切除例
本間 直健長 靖高橋 瑞奈川瀬 寛高橋 亮仙丸 直人藤田 美悧
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キーワード: 円形無気肺, 原発性肺癌
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2012 年 73 巻 10 号 p. 2509-2514

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抄録
経過中に増大傾向を示したために,悪性腫瘍を疑った円形無気肺の2切除例を経験した.いずれの症例も胸部X線写真で下肺野に腫瘤影を認め,CTでは石灰化を伴う胸膜肥厚の近傍に腫瘤を認めた.増大傾向を認めることから悪性腫瘍の可能性を否定できないと考え,手術を施行した.術中所見では下葉を中心に広範な癒着を認め,腫瘤は触知しなかった.確定診断のために下葉切除を行った後,摘出後の割面における肉眼所見および病理組織学的診断にて円形無気肺と診断した.上記2例のうち,1例では術後出血とMRSA膿胸のために長期入院を要した.円形無気肺は稀に慢性炎症によって経過中に増大することがあり,悪性腫瘍との鑑別に難渋する症例がある.円形無気肺を疑うべき画像所見および術中所見について,文献的考察を加えて報告する.
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© 2012 日本臨床外科学会
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