抄録
直腸印環細胞癌は全直腸癌の0.5%と極めて稀であり,また予後不良とされている.今回われわれは直腸印環細胞癌の1切除例を経験した.症例は82歳男性,下血を主訴に近医受診,当院消化器内科にて精査後,直腸癌の診断で当科紹介された.Mile's手術施行,仙骨前面への癒着を認め,Rb,circ,type4,7.5×6.0cm,sig,pAI(sacral soft part),ly3,v2,pN2,pStage III b.垂直断端で腫瘍が遺残した.術後放射線照射施行したが,高齢であったため化学療法は行わなかった.術後4カ月に直腸癌局所再発,傍大動脈リンパ節転移,多発骨転移を認めた.次第に骨髄抑制・凝固異常を呈し術後5カ月で原病死した.