抄録
症例は69歳,女性.平成22年5月に当院婦人科で子宮体癌(漿液性腺癌)に対する手術が行われたが,癌性腹膜炎の状態であり,手術進行期分類FIGO(2008)stage IVBの子宮体癌と診断された.その後,化学療法の後,腫瘍マーカー(CA125)が正常化したため,腫瘍減量手術としての開腹子宮,両側付属器切除,後腹膜リンパ節郭清術が行われ,肉眼的遺残病変を認めない状態となり,術後化学療法が行われたが,腫瘍マーカー(CA125)の再上昇およびFDG-PETで上腹部に異常集積を指摘され,平成23年3月当科紹介.上部消化管内視鏡検査にて胃前庭部後壁に約2cm大の粘膜下腫瘍を認め,超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診で腺癌と診断.子宮体癌の転移性胃腫瘍を疑い,腹腔鏡下幽門側胃切除術を施行した.子宮体癌の転移性胃腫瘍に関する臨床報告例は極めて稀であり,文献的考察を含め報告する.