日本臨床外科学会雑誌
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症例
小児頭大の転移性腹腔内腫瘍を形成した乳腺悪性葉状腫瘍の1例
田根 香織高尾 信太郎廣利 浩一佐久間 淑子大野 伯和石川 泰中村 毅
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2012 年 73 巻 12 号 p. 3057-3063

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抄録

53歳,女性.30cmの左乳房腫瘤を認め,乳腺悪性葉状腫瘍の診断にて前医で大胸筋合併乳房切除術を施行.初回術後4カ月,約20cmの上腹部巨大腫瘍,肺転移,局所再発を指摘され,当院受診.QOLの維持,腫瘍減量目的にて腹腔内腫瘍摘出術,左胸壁腫瘤切除術を施行.腫瘍の原発は脾門部,膵尾部後腹膜と考えられ,約2,400gの腫瘍を可及的に切除した.原発巣との比較から,乳腺悪性葉状腫瘍の腹腔内転移と診断.術後,high-dose Ifosfamideによる化学療法を4コース施行.肺転移,局所再発部は約5カ月間SDを維持していたが,上大静脈症候群をきたし,放射線療法を行うも初回手術より15カ月後に死亡した.
乳腺悪性葉状腫瘍の遠隔転移に対して確立した治療法はない.本症例では,腹腔内転移に対する腫瘍減量手術とIfosfamideにより,QOLの改善がえられた.

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© 2012 日本臨床外科学会
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