日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
大腸癌リンパ節転移診断におけるDWIBS,CTの有用性について
松田 哲朗吉川 徹二相川 一郎
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キーワード: 大腸癌, DWIBS, CT
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2012 年 73 巻 4 号 p. 769-773

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抄録

大腸癌リンパ節転移巣の検出におけるDWIBS,CTの有用性について検討した.2008年10月から2011年4月までに当科でDWIBSおよびCTを術前に施行し,病理学的にリンパ節転移の評価が可能であった大腸癌62例を対象に,術前DWIBS,CTにおけるリンパ節転移陽性例(LN+),病理学的リンパ節転移陽性例(n+)を比較し,各々の感度(Sens),特異度(Spec),陽性的中率(PPV),陰性的中率(NPV)を算出した.術前のLNの診断能はDWIBSではSens 63%,Spec 97%,PPV 91%,NPV 82%,CTでは各々55%,98%,92%,82%であった.これらの結果は,他施設で施行されたFDG-PETによる検出率と比較しても,決して遜色なく,むしろ良好な結果であった.今後は,DWIBSを導入する施設の増加による症例の蓄積に加え,造影剤の開発,撮影装置,画像処理法の進歩などにより,さらなる診断率の向上が期待される.

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© 2012 日本臨床外科学会
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