日本臨床外科学会雑誌
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症例
胃癌肉腫の肉腫成分が大動脈内膜転移をきたした1例
塚原 哲夫森田 信司阪 眞深川 剛生松原 亜季子片井 均
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2012 年 73 巻 7 号 p. 1679-1685

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抄録
症例は80歳,男性.貧血の精査目的で行われた上部消化管内視鏡検査で胃体上部と胃体中部に多発する隆起性腫瘍を指摘された.生検の結果,胃腺癌と診断され,胃全摘+脾摘術が施行された.術後病理組織学的検査で,体上部の病変は腺癌成分と肉腫成分の混在する癌肉腫,体中部の3病変は癌肉腫の肉腫成分による壁内転移と診断された.また右噴門リンパ節に腺癌成分の転移を認めた.術後に上腸間膜動脈閉塞症を合併し,広範小腸切除および空腸瘻造設術を施行したが,遺残腸管の虚血による消化管出血で第64病日に死亡した.病理解剖では下行大動脈の内膜に紡錘形腫瘍細胞の増殖を認め,胃癌肉腫の大動脈内膜転移と診断した.胃癌肉腫はまれな疾患であり,肉腫成分が壁内転移をきたし,さらに大動脈内膜への転移を伴った極めて珍しい症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
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© 2012 日本臨床外科学会
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