抄録
症例は54歳,男性.職場検診の胸部X線写真で右下肺野に孤立性陰影を認めた.胸部CT検査は右S10に32×23mmの境界明瞭で辺縁整な腫瘤を認め,胸部MRI検査では腫瘤内部の嚢胞成分が確認された.FDG-PET検査はSUV値43と非常に高い集積を認めた.気管支鏡検査で診断に至らなかったが悪性腫瘍を疑い右下葉切除術を行った.腫瘍は非常に柔らかく嚢胞を形成していた.病理組織では炎症細胞浸潤を伴う線維芽細胞の増殖を認め,免疫組織化学的染色ではVimentine陽性,SMA陽性,keratine陰性であり炎症性筋線維芽細胞腫瘍と診断した.ALKは陰性であった.肺原発の炎症性筋線維芽細胞腫瘍はまれであり,若干の文献的考察を加えて報告する.