抄録
肉芽腫性乳腺炎(以下GM)は多核巨細胞や炎症細胞浸潤を特徴とする稀な疾患で近年Corynebacterium kroppenstedtii(以下C.kroppenstedtii)感染との関連が報告されている.今回,われわれは細胞診内容物の細菌培養にてC. kroppenstedtiiを同定しGMと診断しえた症例を経験したので報告する.症例は30代女性.乳腺炎の診断で抗生剤を投与されたが硬結が残存するため当科受診.細胞診にて少量の膿を採取し細菌培養にてC. kroppenstedtiiを同定,針生検にてGMと診断した.抗生剤投与と切開排膿にて治癒し1年経過した現在も再発は認めていない.C. kroppenstedtiiはGMの原因菌として注目されているが通常の培養条件では同定困難なことが多い.乳腺炎の診療においてC. kroppenstedtii感染を考慮し適切な検査を行うことも必要と考えられた.