日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下低位前方切除術後に認められた直腸精嚢瘻の1例
廣田 昌紀長谷川 順一三方 彰喜清水 潤三金 浩敏根津 理一郎
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2013 年 74 巻 11 号 p. 3128-3132

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抄録

症例は75歳,男性.直腸(Rb)前方右側に径30mm大の2型腫瘍を認め,直腸癌Rb,cMP,cN0,cH0,cP0,cM0,cStage Iと診断し直腸反転法を用いた腹腔鏡下低位前方切除術を施行した.術後14日目に発熱・頻尿・睾丸痛が出現し,保存的加療にて一時軽快するも再燃が認められた.術後36日目に腹部CT検査・ガストログラフィン注腸造影検査にて直腸精嚢瘻と診断し,術後42日目に小腸人工肛門造設術を施行した.術後10カ月目に人工肛門閉鎖し,以後,直腸精嚢瘻の再燃は認めていない.直腸癌術後合併症として直腸精嚢瘻の報告は少なく,文献的考察を加え報告する.

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© 2013 日本臨床外科学会
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