抄録
小開腹併用の腹腔鏡補助下肝切除術は,直視下に肝切除を施行可能な,安全性と整容性を兼ね備えた手術手技である.今回,胆道を圧排した8cmの肝血管腫に対して,同手術手技を応用した.術前画像では,胆道と門脈は腫瘍によって圧排され,胆道シンチで胆汁鬱滞が認められた.手術は8cmの小開腹を先行し,腫瘍と肝門部・肝静脈の解剖学的配置を確認後,腹腔鏡下に肝の授動を行った.肝門処理・脈管のテーピング・肝離断は小開腹創から直視下に行った.術後経過は良好であり,画像上の胆汁鬱滞の改善を確認しえた.肝門部を圧排するような腫瘍であっても,症例によっては,肝門部処理を小開腹併用で施行することで,安全に腹腔鏡下肝切除を施行しうると考えられた.