日本臨床外科学会雑誌
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症例
SMV血栓による遅発性空腸狭窄を腹腔鏡下に切除した先天性AT-III欠損症の1例
岡 洋右赤木 由人衣笠 哲史吉田 武史白水 和雄
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2013 年 74 巻 12 号 p. 3344-3349

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抄録

症例は20歳,男性.上腹部痛と下痢・嘔吐認め受診した.CTにて上腸間膜静脈から門脈,右内外腸骨静脈から総腸骨静脈の血栓と,小腸の浮腫と拡張認めた.血液凝固線溶系検査にて先天性アンチトロンビンIII(以下,AT-III)欠損症と診断された.抗凝固療法とAT-III製剤投与にて血栓は消失し退院した.翌月,腹痛・嘔吐にて受診し,CTにて血栓の再発は認めなかったが,遅発性の空腸狭窄を認め,腹腔鏡補助下に小腸切除術を施行した.今回,先天性AT-III欠損症による上腸間膜静脈血栓に対し,遅発性の腸管狭窄を認め,腹腔鏡補助下に手術を施行した症例を経験したので文献的考察を含めて報告する.

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© 2013 日本臨床外科学会
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