日本臨床外科学会雑誌
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原著
多施設で利用可能な胃切除クリニカルパスの作成と安全性の検証
野崎 功雄後藤田 直人藤谷 恒明福島 紀雅藤田 淳也伊藤 誠二大下 裕夫河村 進若尾 文彦栗田 啓
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2013 年 74 巻 2 号 p. 331-338

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抄録

多施設で安全に使用可能な胃がん手術クリニカルパスがあれば,胃がん外科治療の均てん化に大きく寄与する.本研究ではこのようなパスの作成とその安全性の検証を行った.まず幽門側胃切除用(経口摂取開始:術後3日目,退院日:術後8-14日目,以下幽切パス)と胃全摘用(同4日目,同9-16日目,以下全摘パス)のクリニカルパスを作成した.次に幽切パスを415例,全摘パスを163例に適用しバリアンス,術後入院期間,術後合併症について検討を行った.術後入院期間の中央値は幽切パス12日,全摘パス14日で,退院バリアンスは幽切パス14.5%,全摘パス25.8%に認めた.Clavien-Dindo分類でGrade III以上の重症合併症は幽切パス3.9%と全摘パス6.7%であった.これらの合併症発生率は過去の報告と比較して同程度であり,今回作成したクリニカルパスは多施設で安全に利用することができると思われた.

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© 2013 日本臨床外科学会
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