日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
CCL2/MCP-1とIL-6遺伝子多型を用いた化学放射線療法による血液毒性発生予測
栗林 邦明本山 悟佐藤 雄亮吉野 敬佐々木 智彦脇田 晃行
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2013 年 74 巻 5 号 p. 1145-1149

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抄録

目的:食道癌に対する根治的化学放射線療法(dCRT)において患者遺伝子多型から血液毒性の予測が可能かどうか検討した.
方法:2004年から2009年までに当院で胸部食道癌に対しdCRT(5-FU/CDDP,60Gy)が行われた25例を対象とし,dCRT施行から終了後3週間までの血液毒性と遺伝子多型との関連をretrospectiveに検討した.
結果:CCL2/MCP-1-2518 G/G genotypeではA/G+A/A genotypeと比べ,Grade 3以上の白血球減少が有意に多かった.IL-6-634 C/G genotypeではC/C genotypeと比べ,Grade 2以上の血小板減少が有意に多かった.
考察:食道癌に対するdCRTの血液毒性は,造血に関与するCCL2/MCP-1-2518 A>G多型,IL-6-634 C>G多型より予測可能である可能性が示唆された.

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© 2013 日本臨床外科学会
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