日本臨床外科学会雑誌
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症例
VHL病の膵病変に対して膵頭十二指腸切除術と膵尾部切除術を併施した2例
須藤 広誠岡野 圭一山本 尚樹赤本 伸太郎藤原 理朗井町 仁美鈴木 康之
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2013 年 74 巻 5 号 p. 1366-1371

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抄録

von Hippel-Lindau病(以下,VHL病と略記)は遺伝性多発腫瘍性症候群で,膵病変も高率に合併する.VHL病に合併した膵病変に対し,膵頭十二指腸切除術と膵尾部切除術を同時に施行した2例を経験した.
症例1は33歳,男性.膵鉤部,膵尾部ならびに両側副腎に腫瘍性病変を認め,膵頭十二指腸切除術,膵尾部切除術ならびに両側副腎摘出術を施行した.膵鉤部病変は神経内分泌腫瘍,膵尾部病変は漿液性嚢胞であった.遺伝子検査でVHL病と診断された.術後に膵瘻(ISGPF Grade B)を認めた.
症例2は60歳,女性.症例1の母親.膵頭部と膵尾部に腫瘍性病変を指摘された.VHL病と診断され,膵頭十二指腸切除術ならびに膵尾部切除術を施行した.膵鉤部病変は神経内分泌腫瘍,膵鉤部病変は漿液性嚢胞腺腫であった.術後に膵瘻(ISGPF Grade B)を認めた.

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