抄録
若年女性に発生した多発小腸血管腫に対して,整容性を考慮し腹腔鏡下に切除した1例を経験した.症例は16歳の女性で,2007年に頭痛を主訴に近医を受診し貧血を指摘された.貧血を繰り返すも原因を特定できず,2011年3月に当院を紹介された.同年12月に再度の貧血と便潜血陽性のため,上部,下部消化管内視鏡を行うも出血は認めなかったが,小腸造影検査で腫瘍性病変が確認された.ダブルバルーン小腸内視鏡検査により,小腸血管腫の診断となった.2012年3月に腹腔鏡下小腸切除術を施行した.腹腔鏡による観察で4個の血管腫が小腸壁を通して瘤状に確認できた.臍のポート創を延長し,小腸を体外に引き出した後に腫瘍を切除した.多発血管腫に対しても,腹腔鏡下手術は非常に有用であった.