抄録
症例は7歳,女児.左乳房腫瘤を自覚し来院した.左CE領域に大きさ4.0×3.0cm,弾性硬,辺縁は比較的明瞭で,表面は平滑であった.表在リンパ節は触知しなかった.マンモグラフィ:若年者であり,施行せず.超音波所見:内部エコーは比較的均一で,辺縁が軽度不整な類円形の腫瘤を認めた.線維腺腫を疑い,6カ月の経過観察とした.腫瘤の大きさに変化なく,家族の希望にて全身麻酔下に腫瘤摘出術を行った.腫瘤は被膜に被われ,割面は髄様,灰白色調を呈し,粗大結節状であった.病理組織学的所見:嚢胞状に拡張した管腔内に乳頭状増殖した腫瘍を認める.乳頭状増殖部では円柱状細胞と立方状ないし紡錘形細胞が2層性に配列し,間質は毛細血管を含む線維性結合織からなる.腫瘍細胞に異型性はなく,α-SMA染色においても筋上皮細胞が陽性であった.術後約10年を経過し,現在まで臨床的に再発はない.