日本臨床外科学会雑誌
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症例
術後13年目に再発した腹腔内細胞診陽性胃癌の1例
寺川 裕史天谷 公司山本 精一加治 正英前田 基一清水 康一
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2013 年 74 巻 7 号 p. 1850-1855

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抄録

61歳,女性.13年前に胃癌に対し幽門側胃切除術を施行した(tub2>por2,se,INFγ,ly0,v0,n2,cy1).術後5-FU/MTX,UFTによる化学療法を施行し,5年間の外来通院の後,近医にて経過観察されていた.初回手術から13年後,下腹部痛を自覚し精査にて小腸の通過障害が認められた.原発性小腸癌が疑われ手術を施行した.右卵巣にも腫瘤を認めたため,右卵巣腫瘍摘出術も同時に施行した.病理組織学的に小腸,右卵巣とも13年前の胃癌の晩期再発と診断された.術後経過は良好であり現在化学療法を継続している.胃癌の術後再発の多くは5年以内にみられ,10年以上の経過で再発する例はまれである.今回,初回手術から13年後に再発をきたした1例を経験したので報告する.

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© 2013 日本臨床外科学会
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