抄録
目的:腹腔鏡下胆嚢摘出(LC)時にドップラー血流計を用いた術中血管同定法について検討した.
方法:対象はreduced port surgeryを試みた当科LC症例13例.術中にドップラー血流計を用いて右肝動脈および胆嚢動脈を検索した.各脈管波形を解析し,両動脈の同定率を術前造影CT画像と比較した.
結果:右肝動脈はCTで12例,ドップラー血流計で全例が,胆嚢動脈はCTで8例,ドップラー血流計で12例が同定された.ドップラー血流計による血流の最高計測速度(平均±SD)は右肝動脈30.3cm/s,胆嚢動脈8.13cm/sで有意差を認め(p<0.001),血流波形も明瞭な違いにより容易に区別できた.術中ならびに術後の合併症はなかった.
結論:LCの際,ドップラー血流計を用いた右肝動脈と胆嚢動脈の術中血管同定手技は簡便かつ確実に施行でき,手術の安全性向上に寄与する手法と考えられた.