日本臨床外科学会雑誌
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症例
肝粘液性嚢胞性腫瘍の1例
岩崎 健一小山田 尚小林 仁存小泉 雅典植木 浜一大谷 明夫
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2013 年 74 巻 8 号 p. 2265-2271

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抄録
患者は45歳,女性.心窩部痛を主訴に近医を受診し,胆石症の診断で当院を紹介された.肝内側区域に径9cmの,わずかに造影効果を持つ多房性腫瘍を認めた.内視鏡的逆行性胆管膵管造影では嚢胞のほとんどの部分は造影されなかったが,1つの嚢胞にのみ胆道系との交通を認めた.肝粘液性嚢胞性腫瘍(mucinous cystic neoplasm:以下MCN)の臨床診断に基づき肝拡大左葉切除を施行した.病理学的には異型の乏しい円柱上皮と立方上皮による嚢胞内腔の被覆と,上皮下に卵巣様間質の存在を認め,MCNと診断された.胆管と交通した一部の嚢胞では,上皮は脱落し,卵巣様間質は認めなかった.術後3カ月を経過するが再発は認めない.肝MCNはまれな肝の嚢胞性腫瘍であり,完全な外科的切除が必要とされるが,切除症例の予後は非常に良好である.本症例は非典型的な術前検査所見を示し,術前診断が困難であった.
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© 2013 日本臨床外科学会
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