抄録
目的:膵頭十二指腸切除術において膵管空腸吻合で用いるロストステントチューブの術後動態および安全性を明らかにする.
対象と方法:2008年から2011年まで当院で膵頭十二指腸切除を施行し,膵管空腸吻合部にロストステントを留置した91例についてCTでステントの位置を評価し,また体外排出に関して各臨床・手術因子についてretrospectiveに統計学的解析を行った.
結果:ステントの体外排出までの中央値は244日(57-1493日)であった.術後1年時点での累積遺残率は47.4%で,遺残部位は膵管空腸吻合部が多かった.ステントの体外排出に関する有意な因子は認めなかった.ステント挿入の合併症として膵管内に迷入したステントとの関連が疑われる膵炎を1例認めたが,保存的に軽快した.
結論:ロストステントは体内に遺残することもあるが,重篤な合併症はなく安全に使用可能であった.