日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
腹腔ドレナージ後に待機的に腹腔鏡下天蓋切除術を施行した脾嚢胞破裂の1例
松井 俊樹加藤 弘幸湯浅 浩行林 昭伸
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 75 巻 5 号 p. 1412-1417

詳細
抄録
症例は26歳,男性.平成25年9月下旬,入院前夜より間欠的な上腹部痛が出現し,症状が増強したため,翌朝当院救急外来を受診した.腹部全体に筋性防御を認め,腹部CTでは大量の腹水および脾臓と連続する12×12cm大の緊満感のない不整形の嚢胞を認めた.エコー下に腹水穿刺を行ったが,その生化学的性状から消化管穿孔は否定的と考えられ,巨大脾嚢胞の自然破裂と診断した.入院後に左下腹部から腹腔内ドレナージを行い,4,600mlの茶色褐・混濁した排液の流出を認め,翌日には腹痛はほぼ改善した.全身状態の改善を図った後,入院10日目に腹腔鏡下天蓋切除術を施行した.術後経過は良好で術後11日目に退院となった.現在術後4カ月経過しているが再発を認めていない.脾嚢胞の破裂に関しては,現在までに14例の報告があるが,ドレナージで対処した後に待機的に腹腔鏡下天蓋切除術を行った報告は未だ無く,若干の文献的考察を加え報告する.
著者関連情報
© 2014 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top