日本臨床外科学会雑誌
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症例
コレステロール塞栓症による小腸多発穿孔の1例
九十九 悠太山口 和盛内田 雄一郎河本 和幸伊藤 雅小笠原 敬三
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2014 年 75 巻 7 号 p. 1877-1881

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抄録

コレステロール塞栓症(cholesterol crystal embolization:CCE)は血管内粥腫の破綻, 飛散による稀な全身性塞栓症である.症例:77歳,男性.腹部激痛があり当院搬送.腹膜刺激症状を認め,CT上free airと腹水を認め消化管穿孔の診断で緊急手術となった.小腸3箇所に穿孔部を認め小腸部分切除施行.病理組織所見でCCEによる小腸多発潰瘍穿孔の診断.術後3日目に胃管より黒色排液があり,上部消化管内視鏡にて胃・十二指腸にも多発潰瘍を認めた.術後4日目にドレーンより腸液様排液があり小腸再穿孔が疑われたが,術後より意識障害と痙攣重積があり,頭部CTで多発脳梗塞が確認されていたため再開腹術は断念し,術後8日目に死亡した.CCEの症状は,腎機能障害・皮膚症状・消化管症状などがあるが消化管穿孔に至ることは稀である.CCEによる消化管穿孔について過去の症例を踏まえ報告する.

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© 2014 日本臨床外科学会
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