日本臨床外科学会雑誌
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症例
保存的に治癒した食道癌術後の遅発性胃管皮膚瘻の1例
鳥越 英次郎野崎 功雄羽藤 慎二大田 耕司棚田 稔栗田 啓
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2014 年 75 巻 8 号 p. 2177-2181

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抄録
症例は71歳男性で,平成8年に胸部中部食道癌に対して右開胸食道亜全摘術(胸骨後経路胃管再建)と3領域郭清術を施行した.術後,縫合不全があり,吻合部を切除して頸部食道と胃管の間に遊離空腸間置術を施行し,軽快退院した.左主気管支に腫瘍残存あり,同部に放射線療法を施行した後,再発なく経過していたが,平成24年12月に,放射線照射部に一致した前胸部に胃管皮膚瘻と胸骨骨髄炎が生じた.根治術を予定していたが,まず膿瘍腔のドレナージ,抗生剤,プロトンポンプ阻害剤の投与,経腸栄養等の保存的加療を先行したところ,徐々に瘻孔は治癒した.平成25年3月退院となり,平成26年1月に他病で永眠されるまで症状の再燃は見られなかった.食道癌術後の胃管皮膚瘻は,放射線照射施行例に生じることが多く,根治のために手術が必要になるとの報告が多い.本症例のように保存的に治癒することは稀と思われるため報告する.
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© 2014 日本臨床外科学会
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