日本臨床外科学会雑誌
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症例
インフルエンザ感染後に腹膜炎で発症した劇症型A群溶連菌感染症の1例
浦 勝郎三浦 巧小西 和哉竹本 法弘宮坂 祐司
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2014 年 75 巻 9 号 p. 2382-2387

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抄録
症例は39歳,女性.近医でA型インフルエンザ感染症の治療後に腹痛と下痢およびCRPの異常高値を認め当院紹介.腹部膨満と腹膜刺激症状を認め,CTでは多量の腹水と左卵巣腫脹を認めた.汎発性腹膜炎の診断で試験開腹術を施行.多量の膿性腹水と左卵巣チョコレート嚢胞を認め,左付属器摘除と腹腔内洗浄ドレナージを施行.術後,SIRS・DIC・ARDS・急性腎不全を呈したため,CHDFとPMX-DHPを開始し循環動態は安定した.血液および腹水培養からA群溶連菌が検出されたため劇症型A群溶連菌感染症(Streptococcal Toxic Shock Syndrome:STSS)と診断しペニシリンを中心とした抗生剤治療で改善した.汎発性腹膜炎に至った原因は不明だがインフルエンザウイルスの先行感染がSTSSを誘導した可能性も考えられた.腹膜炎を伴うSTSSはまれであるが早期の外科的ドレナージと集学的治療が肝要である.
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© 2014 日本臨床外科学会
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