抄録
91歳,女性.下腹部痛を主訴に当院を受診.受診3カ月前にも腹痛で受診され感染性腸炎疑いで入院となった.薬剤性腸炎を続発し入院は2カ月に及んだ.身体所見では下腹部に筋性防御と圧痛あり,血液検査でWBC 44,700/μl,CRP 21.3mg/dlと炎症反応を認めた.腹部CT検査で腹腔内に多量の遊離ガスと液貯留,小腸粘膜途絶像を認め,小腸穿孔の診断で緊急手術施行した.腹腔内は膿汁で充満,Treitz靱帯より50cmの腸間膜側空腸憩室に穿孔を認め,その他空腸にも多発憩室を認めた.穿孔部含め憩室腸管を摘出,遺残憩室には翻転術を加えた.術後数日ICU管理,その後は合併症なく嚥下機能回復遅延のため術後47日目に転院となった.原因不明の消化器症状を訴える高齢患者には小腸憩室炎の可能性も考慮し,穿孔など合併症を防ぐことが重要と考えた.