日本臨床外科学会雑誌
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症例
門脈ガス血症と上腸間膜静脈血栓症を合併したCrohn病の1例
平田 雄紀鈴木 慶一金田 宗久大作 昌義浅沼 史樹
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2015 年 76 巻 9 号 p. 2214-2219

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抄録
症例は31歳,女性.Crohn病のため当院内科で内服加療中であったが,今回下腹部痛と発熱を主訴に受診した.来院時下腹部に圧痛を認めるものの,反跳痛・腹膜刺激症状は認めなかった.腹部CTでは回盲部にfree airを,肝内に樹枝状に広がる門脈内ガス像および上腸間膜静脈血栓を認めたため,Crohn病を背景とした回腸穿孔と判断し,緊急開腹手術を施行した.術中所見は,回結腸静脈と回腸静脈最終枝を索状に硬く触知し,同静脈血栓症と判断し回盲部切除を行った.病理組織学的所見上,回腸末端に穿孔部を認め縦走潰瘍を伴いCrohn病と矛盾しなかった.静脈血栓は化膿性血栓静脈炎であった.術後経過は良好で術後28日に退院した.門脈ガス血症は従来,腸管壊死を伴う虚血性腸疾患の重篤な合併症とされているが,稀ではあるがCrohn病に時に合併する.自験例では早期に診断し,開腹手術に踏み切ったことで救命しえたと考えられた.
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© 2015 日本臨床外科学会
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