日本臨床外科学会雑誌
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症例
経過中に縮小した虫垂開口部のlymphoid hyperplasiaの1例
渡邊 学森岡 淳河合 清貴松葉 秀基諸藤 教彰堀 明洋
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2015 年 76 巻 9 号 p. 2241-2246

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抄録
症例は64歳,男性.PET/CTによる癌検診で虫垂起始部にFDGの淡い集積を認めた.下部消化管内視鏡検査では虫垂開口部に顆粒状の柔らかい隆起を認めたが,内視鏡下生検では悪性所見を認めなかった.半年後の下部消化管内視鏡検査で虫垂開口部に2cm大の桑実状のポリープの出現を認めた.内視鏡下生検ではリンパ濾胞を伴う大腸粘膜の過形成を認めた.糞石を伴う虫垂炎を第一に考慮したが,悪性疾患の混在も考慮し腹腔鏡補助下回盲部切除術を施行した.切除標本では虫垂根部のポリープは著明に縮小しており,2mm大の暗赤色の小隆起が痕跡状に認められるのみであった.病理検査では肥厚した虫垂粘膜および粘膜下に胚中心の発達したリンパ濾胞の腫大を認め,lymphoid hyperplasiaによる隆起性病変と診断した.Lymphoid hyperplasiaが虫垂開口部にポリープを呈することは珍しく,文献的考察を加えて報告する.
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© 2015 日本臨床外科学会
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