抄録
症例1は88歳,女性.イレウス症状で受診され,CTで左閉鎖孔ヘルニア嵌頓を認めた.絞扼所見はなく,US下に還納し待機的に手術を施行した,症例2は77歳,女性.腹痛を主訴に受診され,右閉鎖孔ヘルニア嵌頓を認めた.本症例も絞扼所見はなく,用手還納の後待機的に手術を行った.両例とも術中所見で両側閉鎖孔ヘルニアを認め,Paritex ProGripTM(Covidien)(以下ProGrip)を用いて腹腔鏡下両側閉鎖孔ヘルニア修復術を施行した.いずれも経過は良好で術後約1年が経過した現在,再発は認めていない.絞扼所見を認めない閉鎖孔ヘルニアは用手還納後の待機的手術が可能であり,またタッカーが不要なセルフグリップメッシュは,閉鎖神経や死冠への影響が懸念される同手術においても安全に施行できうると考えられる.