日本臨床外科学会雑誌
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症例
消化管Burkittリンパ腫の3例
遠迫 孝昭窪田 寿子村上 陽昭東田 正陽松本 英男平井 敏弘
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2016 年 77 巻 5 号 p. 1265-1270

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抄録

開腹手術を行い,Burkittリンパ腫と診断された3例を経験したので報告する.症例1は54歳の男性で,1週間前から増悪する腰痛・乏尿を認め,緊急開腹術を行った.回腸末端に腫瘤形成を認めたため,これを切除し人工肛門を造設した.Burkittリンパ腫と診断され,化学療法を行い寛解した.症例2は72歳の女性で,1カ月前から持続する発熱と背部痛を自覚し,当院を受診した.胃内に多発潰瘍性病変を認め,潰瘍からの出血がコントロール困難であったため,緊急で胃切除術を施行した.Burkittリンパ腫と診断され,化学療法を行ったが骨髄浸潤を認め,術後30日目に死亡した.症例3は82歳の男性で,1週間前から腹痛・腹部膨満を自覚するようになり虫垂炎が疑われ,緊急手術を行った.虫垂は腫大し,先端は大網と癒着し腫瘤を形成していたため,虫垂と大網を合併切除した.Burkittリンパ腫と診断され化学療法を行い寛解した.

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