日本臨床外科学会雑誌
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症例
術前3D-CT血管構築にてV2破格を把握した肺癌の1例
木下 裕康榎本 豊浦本 秀隆
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キーワード: 肺癌, V2破格, 3D-CT血管構築
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2016 年 77 巻 8 号 p. 1937-1941

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抄録

肺腫瘍の手術において,最も避けるべき併発症は血管損傷である.従来,術者は術前にCT画像から丁寧に血管の走行を読んで手術に臨んでいた.しかし,肺動静脈の走行は多様であり,術中予期せぬ破格に遭遇することがある.したがって,術前に血管の走行異常を正確に把握しておくことは極めて重要である.今回,左房に直接流入する右後上葉区静脈(V2)の破格を3D-CT血管構築にて術前に把握し,安全に操作を遂行した1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.V2破格は男,右側に多い.左房に還流するタイプが多く,気管支や右大動脈弓などの走行異常を伴うことがある.

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© 2016 日本臨床外科学会
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