日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡補助下に修復した肛門杙創による外傷性直腸損傷の1例
川村 紘三林 昌俊栃井 航也丹羽 真佐夫高橋 啓
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キーワード: 杙創, 直腸穿孔, 腹腔鏡
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2017 年 78 巻 4 号 p. 798-802

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抄録
症例は34歳,男性.山中で作業中に斜面で足を滑らせた際に竹が肛門に刺入,自身で抜去し当院に受診した.来院時,下腹部に腹膜刺激症状を認めた.腹部骨盤部CTでは直腸前壁と前立腺の間にガス像と腹腔内遊離ガス像を認め,大腸内視鏡検査では歯状線やや口側の直腸前壁に粘膜の損傷を認めた.外傷性直腸穿孔の診断で腹腔鏡補助下に緊急手術を施行した.直腸膀胱窩に血性腹水を認めたが汚染はなく,腹膜翻転部の腹側に横4cm×縦1cmの腹膜損傷箇所を認めた.経肛門的に観察すると,歯状線のやや口側の9-12時方向に直腸損傷箇所を認め,腹腔内との交通を確認した.鏡視下に穿孔経路途中に遺残した竹の一部を除去し,経肛門的に直腸穿孔部を縫合閉鎖した.他に明らかな臓器損傷がないことを確認し,洗浄しドレーンを留置し手術を終了した.経過良好で第15病日に退院となった.外傷性直腸穿孔に対し腹腔鏡を使用し良好な経過を得られたので報告する.
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© 2017 日本臨床外科学会
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