日本臨床外科学会雑誌
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症例
同時性孤立性胸骨転移を伴う大腿脂肪肉腫の1例
安川 元章東条 尚
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2017 年 78 巻 9 号 p. 2155-2160

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抄録
症例は43歳,男性.左大腿と前胸部の腫脹を自覚し前医を受診した.CT上,左大腿部に径21cmの腫瘍と胸骨剣状突起を中心に径5cmの腫瘍を認め,当院に紹介された.精査の結果,大腿悪性軟部肉腫と同時性孤立性胸骨転移の診断で手術目的に入院となった.左大腿腫瘍に対する患肢温存広範切除に次いで,胸骨腫瘍手術に移った.腫瘍から最低3cmの距離を確保し左右肋軟骨を切断.胸骨上縁は第4肋間の高さで左右内胸動静脈とともに胸骨体部を切断し,胸壁を全層で摘出した.右大腿筋皮弁を遊離し,左内胸動静脈と端々吻合し胸壁再建を行った.術後経過良好で胸郭動揺や皮弁の血流障害を認めなかった.病理組織学検査で大腿粘液/円形細胞型脂肪肉腫と胸骨転移の診断であった.術後3週間目から化学療法を開始したが,術後1カ月に多発脊椎転移を認めた.今回,われわれは粘液/円形細胞型脂肪肉腫の同時性孤立性胸骨転移の1例を経験したので報告する.
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© 2017 日本臨床外科学会
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