日本臨床外科学会雑誌
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症例
十二指腸球部神経内分泌細胞癌の1例
古川 聖太郎道免 寛充市之川 一臣山田 秀久
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2018 年 79 巻 4 号 p. 774-780

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抄録
症例は80歳の男性で,黒色便を主訴に受診し,採血で貧血を指摘された.上部消化管内視鏡検査で十二指腸球部に2型腫瘍を認め,生検で内分泌細胞癌と診断された.病変の肛門側縁は十二指腸乳頭部に近接しており,乳頭部の温存不能と判断し,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織検査では,N/C比の高い大型の腫瘍細胞が充実性胞巣を形成して増殖していた.免疫組織染色では,synaptophysin・chromogranin Aはいずれも陽性であった.膵浸潤および13番リンパ節に転移を認めたため,十二指腸神経内分泌細胞癌 pT3(膵)N1M0 pStage IIIBと診断した.術後補助化学療法を希望せず経過観察中であり,現在,術後1年4カ月生存中である.乳頭部以外から発生する十二指腸内分泌細胞癌は非常に稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
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© 2018 日本臨床外科学会
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